2学期表彰式・終業式「学びは未来への投資」

公開日 2025年12月24日(Wed)

令和7年12月24日(水),表彰式に続き,2学期の終業式が行われました。

表彰式では,2件の表彰が行われました。
 1 陸上同好会
  「令和7年度大島地区高等学校体育大会 駅伝(トラックレース)競技」
 2 クラスマッチの優勝チーム
↓陸上同好会
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↓クラスマッチの優勝チーム
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昨日まで開催されていたクラスマッチでは,冬の寒さを吹き飛ばすような熱戦が繰り広げられました。
校長式辞では,そのクラスマッチの振り返りから,生徒たちのこれからの生き方に繋がる大切なメッセージが贈られました。

2学期を振り返り、次の一歩へ
クラスマッチの目的は「親睦を深めること」そして「楽しむこと」でした。その活気を胸に,今日という節目に「2学期,何ができて何ができなかったのか」を振り返る必要があります。
 ・3年生へ:
  いよいよ受験本番が近づいています。学校全体,全員で皆さんを応援しています。最後まで走り抜けてください。
 ・1・2年生へ:
  次は自分たちの番です。この1年でどれだけ自分の力を蓄えられたでしょうか。今後のキャリアを見据え,力を蓄える準備を始めてください。
 

「知識」を「知恵」に変える実践力
校長先生は,先日の「中高合同発表会」での2年生と3年生の発表の違いを例に「PDCAサイクル」の重要性を語られました。

「2年生は『問い』を立てて発表しましたが,まだ実践の入り口でした。対して3年生は,自分たちで実践し,改善を繰り返すPDCAサイクルが回っていました。1・2年生も,来年にはその『実践』の段階へ進めるよう,今の学びを継続してください」「使えない知識は,有用な知識ではない」という言葉は,日々の学習の目的を再確認させるものでした。

「投資」という視点で自分を鍛える
また,「中高合同講演会」でのグループワークについても触れられました。
「しごと」について考えたグループは「雇用」の視点に留まっていました。しかし,商業科で学ぶ「利回り」や「投資」の考え方は,社会を生き抜く強力な武器になります。

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例えば,1年で3%の利回りなら,1万円は1年で10,300円,5年経てば15%増になります。エクセルの関数を使えば,15年後の数字も一瞬で計算できます。
しかし,そのツールを使いこなし,仕組みを理解する「頭」がなければ,その力は発揮できません。
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勉強をしないことは,将来の自分の選択肢を狭めることに他なりません。

今,自分を鍛えず,いつ鍛えるのか
最後に,冬休みを迎える生徒たちへ,力強いエールが送られました。
「今自分を鍛えずに,いつ鍛えるのか。自分を追い込み,努力することは,皆さんのキャリアの幅を広げることに直結します。勉強とは、自分の未来への投資である。」と。

この言葉を胸に,生徒たちは2025年を締めくくり,新しい年への準備を始めます。
保護者の皆様,地域の皆様,今学期も本校の教育活動へのご理解とご協力をいただき,誠にありがとうございました。
どうぞ,良いお年をお迎えください。

 


 

追記
生徒指導部と進路指導部からも講話がありました。

 【生徒指導部より】
冬休みの過ごし方:自分を見つめ,安全な生活を

終業式の締めくくりに,生徒指導部主任より,冬休みの生活心得について講話がありました。
待ちに待った冬休みが始まりますが,自分を律し,充実した時間を過ごすために,以下の3つのポイントについて話がありました。

1. デジタルから離れ,「自分」と向き合う時間に
現代の生活において,スマートフォンやSNSは欠かせないものとなっています。しかし,休み期間中はついつい長時間使用してしまいがちです。

「この冬休みは,意識的にデジタルから離れる時間(デジタルデトックス)を作ってほしい」というメッセージが送られました。画面の中の情報ではなく,「自分の心や体の小さな変化」に目を向ける時間を持つことで,2学期の疲れを癒やし,自分自身を深く見つめ直すことができます。

2. 安全面への配慮:深夜の外出は慎む
警察署からのお知らせを踏まえ,防犯と安全確保についての注意喚起がありました。

特に深夜の外出(深夜徘徊)は,思わぬトラブルや犯罪に巻き込まれるリスクを大きく高めます。地域のルールを守り,安全面を最優先に考えた行動を心がけてください。「自分の身を守る」ことは,家族や周囲の人たちを安心させることにも繋がります。

3. 身だしなみを整え,規律ある生活を
「休みの間だから」と気を緩めすぎず,喜界高校の生徒としての誇りを持って過ごしましょう。
外出時の服装や身だしなみを整えることは,自分自身の心を整えることでもあります。規則正しい生活リズムを維持し,清々しい気持ちで新年を迎えられるようにしましょう。

生徒の皆さんへ
1月,元気な姿で皆さんに再会できることを楽しみにしています。 何か困ったことや不安なことがあれば,一人で抱え込まずに学校や信頼できる大人に相談してください。
安全で,心温まる冬休みになるよう願っています。

 

【進路指導部より】
「考える力」を奪われないために〜デジタル社会での決断力〜

また,進路指導部主任より,デジタル機器との付き合い方と「思考力」についての講話がありました。

なぜ私たちはスマートフォンに夢中になるのか?
「なぜ,皆さんはこれほどまでにスマホが好きなのでしょうか?」という問いかけから話は始まりました。 その答えは,「心地良くなくなる瞬間がないから」です。
自分の興味がある情報,心地良いと感じるコンテンツが次々と流れてくるデジタル空間では,退屈を感じたり,不快な思いをしたりすることがほとんどありません。しかし,その「心地よさ」に依存しすぎることに,進路指導の観点から警鐘を鳴らしました。

「管理されるつながり」への危惧
実際に,ある国立大学の入試問題では「欲しい情報を管理され,常につながっていたい」という現代人の心理をテーマにした問題が出題されました。
私たちは,AIやアルゴリズムによって「与えられた情報」の中に生きています。しかし,流れてくる情報は,常に「誰か」によって意図を持って作られたものです。ただそれを受け取っているだけでは,次第に「自分で考える力」が失われていってしまいます。

いざという時,自分の人生を自分で決められますか?
「考える力」がなくなっていくことは,単にテストの点数が下がることではありません。 最も大きな影響が出るのは、「人生の決断」が必要な場面です。
普段から自分で考え,判断する習慣を放棄していると,いざ進路を選択しなければならない時,自分のことさえも正しく判断できず,誰かに決めてもらわなければ動けない大人になってしまいます。

冬休み,自律した思考を取り戻そう
「スマホに自分の思考を預けてしまって,本当にいいのか?」
進路指導部からは,この冬休みを利用して,情報の受け手で終わるのではなく,「自分の頭で考え,判断する練習」をしてほしいというエールが送られました。
自分の進路,自分の未来を,誰の手でもなく自分の意志で選ぶために。この休み期間を,主体的な思考を養う貴重な時間にしてほしいと願っています。