公開日 2026年02月10日(Tue)
令和8年2月10日(火)3・4時間目,本校3階の音楽室にて,高校1年生(普通科・商業科)を対象とした「奄美音楽の魅力及びその研究に関する探究授業特別講座」を実施しました。
今回は,鹿児島純心大学 人間教育学部の遠藤武夫教授を講師としてお招きし,地元奄美の伝統文化を「研究」の視点から紐解く,非常に濃密な学びの時間となりました。

■歌の中に息づく「シマ」の心と歴史をたどる
今回の講座の目的は,専門家の知見に触れることで,生徒たちが取り組んでいる「喜界島」をテーマにした探究活動をより深化させること,そして芸術科での学びの視点を課題解決に活かすSTEAM教育を推進することにあります。

■信仰と歴史:「民謡は生活そのもの」
遠藤教授は,奄美民謡の背景にある精神世界「ニライカナイ(神様のいる場所)」について触れ,「民謡の中には奄美の信仰が息づいている」と語られました。
また,徳之島の「ワイド節」や「犬田布(いぬたぶ)騒動」の歴史にも話が及びました。かつて米ではなく過酷な労働を伴う「黒砂糖」で年貢を納め,薩摩藩の借金返済に充てられたという悲しい歴史。そしてオペラにもなっている「かんつめの悲劇」。 人々の苦しみや祈りが音楽となり,それが現代まで歌い継がれているという事実に,生徒たちは真剣な表情で聞き入っていました。
■音楽を分析する:奄美音階vs沖縄音階
講座の中盤では,奄美と沖永良部の「稲すり節」の違いを分析する演習が行われました。
・奄美(笠沙):
奄美音階特有の独特な響き。
・沖永良部(知名):
沖縄音階に近く,テンポが速い。「稲すりがはかどりそう!」という感想も。
同じ名前の楽曲でも,地域(シマ)によって歌詞や旋律が異なる面白さ,そして民謡コンクール出身者が現代のポップス界でも活躍している現状など,伝統と現代の繋がりについても学びました。


■STEAM教育の視点で新たな視点を創る
今回の講座では,単に音楽を楽しむだけでなく,「芸術科の見方・考え方を,いかに課題解決に応用するか」という点が強調されました。
文系・理系の枠を超え,地域の歴史・社会構造・音楽的特徴を複合的に分析するプロセスは,生徒たちがこれから行う探究活動の大きなヒントとなりました。
【遠藤教授が語る 奄美音楽 5つの魅力】
1.生活・信仰との深い関わり
(労働や宗教が歌と直結している)
2.「シマ」のアイデンティティ
(行事・笑い・歴史が詰まっている)
3.多様性
(シマごとに異なる歌詞や節回し)
4.継承の場
(民謡コンクールなどの文化基盤)
5.普遍性
(ポップスにも通用する高い音楽性)

■おわりに
鹿児島純心大学の紹介では,令和9年度に新設される「情報学部 社会共創学科」についても触れていただき,情報技術と社会課題解決を繋ぐ新しい学びについても刺激を受けました。
遠藤教授,遠方よりお越しいただき,喜界高校の生徒のために情熱あふれる講義をありがとうございました。
今回得た知見を糧に,1年生は自分たちの「探究の問い」をさらにブラッシュアップさせていきます!
※ 本取組は「高等学校DX加速化推進事業」の一環です。
