公開日 2025年12月17日(Wed)
デジタル社会の賢い羅針盤となるために
令和7年12月17日(水)2時間目と4時間目,本校商業科の2年生と3年生を対象に,「DX支援事業」の一環として,デジタル社会を生き抜くための情報モラルと生成AI活用に関する特別授業が実施されました。
本校商業科教員がDX支援員のサポートを受けながら授業を行い,生徒たちは最新の技術を安全かつ倫理的に使いこなす方法を学びました。

1.「それ、ネットに上げていいの?」
商業科3年生を対象とした2時間目の授業では,主にインターネット上での発信におけるリスク管理について学びました。特に,動画などのコンテンツをインターネットにアップロードする際に守るべき重要なポイントを確認しました。
・肖像権の問題:
動画に写る人物からの書面による承認が必要であること。
例えば,もし1人でも承諾を得られなければ,その人にモザイクをかけて公開するなどの処理を行うこと。
・公開範囲の確認:
誰に,どこまで見せるのかを明確に設定すること。
複数人で制作に関わる場合は,限定公開を利用するとよいこと。
・公開後のリスク:
一度公開した情報は完全に消せないことを理解し,将来のリスクに備えること。

2.「生成AIを使いこなす君たちへ」「賢い相棒の使い方」
商業科生を対象とした両方の時間において,急速に進化する生成AIとの付き合い方について深く掘り下げました。
AIの特性とリスクを知る
AIの持つ特性として,「ハルシネーション(嘘をつくこと)」や「バイアス(偏見)」のリスクがあります。その上で,AIを安全に使うために「守るべき3つのルール」を確認しました。
1.個人情報の入力は×:
機密情報や個人情報は絶対に入力しない。
2.著作権の侵害×:
AIの出力をそのまま利用し,著作権を侵害しない。
3.AIの答えを丸写し×:
これは不正行為(チート)にあたる。

「考える力を助ける」賢い使い方
授業では,生成AIを「思考の肩代わり」に使うのではなく,「考える力を助ける賢い相棒」として活用する方法を学びました。
・賢い使い方:
レポートのアイデア出し,専門用語の調査など,「思考を深めるためのスタート地点」として利用する。
・だめな使い方:
読書感想文や課題をすべて書いてもらうなど,「思考の放棄」につながる使い方をしない。
「AIによる出力は、あくまで参考の一つ」であり,最終的な判断や責任は常に人間にあります。
AIを「船」とすれば,生徒たちは「ナビゲーター」であり,あくまで舵取りをするのは自分たち「人」である,というメッセージが送られました。
デジタル時代の「ナビゲーター」として
今回の講座を通じて,生徒たちはデジタルツールを使う上での倫理観(情報モラル)と,技術を学びの深化に活かす方法を身につけました。
本校は,今後もDX支援事業を通じて,生徒たちが情報社会の良き担い手となるよう,教育を推進してまいります。



※ 本取組は「高等学校DX加速化推進事業」の一環です。
