公開日 2026年07月07日(Tue)
令和8年7月7日(火)の15:35〜16:25、生物室にて普通科1年生を対象とした理科「科学と人間生活」の特別授業が実施されました。
今回の授業は、教科書で学ぶ「金属の利用や製錬」の知識を、自分たちが暮らす喜界島の歴史と結びつけて「身近な生きた知識」として深めることを目的に企画されたものです。
講師として喜界町埋蔵文化財センターの方をお招きし、島で行われた製鉄の歴史や実験について熱いご講義をいただきました。

■『もののけ姫』や『鬼滅の刃』の世界から学ぶ「たたら製鉄」
授業は、中学校で習う「酸化鉄の還元」のおさらいからスタート。
人気アニメ『もののけ姫』や『鬼滅の刃』の映像・エピソードも交えながら、日本の伝統的な「たたら製鉄」や「玉鋼(たまはがね)」について分かりやすく解説していただきました。

日常生活で使われる「かわりばんこ」という言葉が、実はたたら製鉄で風を送る「番子(ばんこ)」から来ているという豆知識には、生徒たちからも「へぇ〜!」と声が上がりました。
また、かつて島根から指導者を招いて喜界島で行われた製鉄実験のお話では、何時間も炉を加熱し続けても、数十キロの材料からごく僅かな鉄しか採れないというプロセスの難しさと大変さを知り、「鉄を作ることがどれだけ大変か分かった」と生徒たちは大きな驚きを見せていました。
■本物にタッチ!幻の「玉鋼」と喜界島の壮大な歴史
今回の講義で生徒たちが特に大興奮したのが、本物の「玉鋼(たまはがね)」の体験です!
通常は博物館のガラス越しでしか見られない大変貴重な玉鋼を、なんと実際に手に取らせていただきました。生徒たちは「見た目以上にずっしり重い!」「これが日本刀の材料になるんだ」と、その質感と重みを噛み締めていました。
さらに、9〜15世紀にかけて喜界島の「城久(ぐすく)遺跡群」が琉球列島で唯一の製鉄の地であり、太宰府からの命令や南西諸島の交易拠点として圧倒的な技術・権力を示していたという歴史が明かされました。
「木材も砂鉄も少ない離島の喜界島で、なぜわざわざ大規模な製鉄が行われていたのか?」という歴史のロマンに触れ、生徒たちの探究心に火がついた様子でした。
■理科×生物のフシギ:鉄の歯を持つ貝「クンマー」!?
講義の後半には、喜界島に生息する貝「クンマー(ヒザラガイ)」の紹介もありました。 なんとこの貝、体内で単体の鉄を作り出し、「鉄でできた歯」を持っているため磁石にくっつくとのこと!「人間が大変な労力をかけて作る鉄を、生き物が体内で作ってしまうなんてミラクル!」というお話に、生徒たちは目を輝かせて聞き入っていました。
■ 結びにかえて
授業後の生徒の感想からは、驚きと新たな学びへの意欲があふれていました。
・「喜界島に製鉄所があったなんて知らなかった!なぜこの島で作られていたのか、とても興味が湧いた」
・「こんなにも鉄を作るのは難しいのに、『クンマー』は歯が鉄で出来ていて、体内でどうやって鉄を作り出すのか不思議」
・「『鉄を制する者は世界を制す』の意味が理解できた。玉鋼を実際に持てて最高の体験だった」
・「夏休みに絶対に喜界町埋蔵文化財センターに行って、もっと詳しく歴史や疑問を聞いてみたい!」
身近な島の歴史と理科の学びが見事に繋がり、生徒たちの地域への誇りと探究心を大きく育む素晴らしい時間となりました。
お忙しい中、本校生徒のために貴重なお話と体験を届けてくださった喜界町埋蔵文化財センターの皆様、本当にありがとうございました!
